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人気スポーツ「ボルダリング」とは!?
記事に興味を持っていただきありがとうございます。
この記事では、施設・公園の設置型遊具である「ボルダリング」について紹介します。

ボルダリングの概要
「ボルダリング」は、一般的には専用施設で行うスポーツですが、一部の公園・広場でも専用の壁や遊具として設置されている例があります。
また、本格的なボルダリング設備ではないものの、「登る」動作を取り入れた遊具(ボルダリング要素を含む遊具)も徐々に増えてきており、遊具の多様化が進んでいます。
ボルダリングの遊具は、直角の壁や傾斜のある壁に「ホールド」と呼ばれる突起物を取り付けた構造になっており、人工の岩壁(クライミングウォール)を模した形状です。
設置場所の環境や用途によって使われる素材はさまざまです。
特に屋外では、耐候性(雨・紫外線への強さ)や安全性、落下時の衝撃吸収性が重要視されます。
設置するに時は、地面・壁面・ホールド(手足を置く場所)が必要です。
以下に部位とその素材と理由について表を記載します。
部位 | 推奨素材 | 理由 |
---|---|---|
壁面 | FRP(繊維強化プラスチック)、耐候合板、コンクリート | 耐久性・防水性・成形自由度が高い |
ホールド | FRP混合樹脂、ポリエステル樹脂 | 滑りにくく、割れにくい |
地面 | ゴムチップ、芝、砂、ウッドチップ、クッションマット | 落下時の安全性確保 |
設置場所 | 対象年齢 |
---|---|
公園のボルダリング要素を含む遊具 | 3歳~12歳(壁の高さが低く安全性に配慮) |
スポーツ施設・クライミング施設 | 未就学児~大人(キッズ用のルート(低め、簡単)から、大人・競技者用の本格的なルートまで幅広く用意されていることが多い) |
高齢者施設・障がい者施設 | 高齢者・身体に不安がある人(一部の施設では、体力づくりやリハビリとして、サポートしながらのボルダリングを取り入れている例もあります。) |
※対象年齢は個別の遊具や施設によって異なる場合があります。
対象年齢以上の人の利用は、強度・安全性の問題(設計上)において避けるべきとされています。
しかし、「子ども専用」・「対象年齢以外使用禁止」等の明示がない場合は、ストレッチなどの軽運動を行うことは許容される場合もあります。
ボルダリングの遊び方
ボルダリングの遊び方を簡単に紹介します。

「ボルダリング」は、スポーツとしてのルールがあり、スタートからゴールまでの道筋(課題)が決められています。
指定されたホールドだけを使い、落下せずにゴールのホールドを両手でつかめばクリアとなります。
また、『一般向けの施設』では、「ホールドの色」や「番号」でコース(課題)の難易度が分けられており、自分のレベルに合った課題のクリアを目指すことができます。
初心者や子ども向けには、ゴールを目指さなくても、以下の遊び方があります。
体幹や握力のトレーニングにもなり、気軽に体を動かす遊びとして親しまれています。
幼児や小学校低学年の子どもの利用において、保護者の同伴(監視・サポート)が設定されている公園もあります。
法的なものではないものの、自治体や公園管理者によって設定されたルールです。
利用する人は従う必要があります。
ボルダリングの利用で受ける影響とは
ボルダリングを利用することは、利用者にどんな影響があるのかについて「期待できる効果」・「懸念される点」に分けて説明します。
二つの内容に関しては、本来差があるものも同列に扱っています。
そしてそれらは、一定ではなく流動的に変化することに注意してください。
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期待できる効果
ボルダリングを利用することで期待できる効果を「運動能力」・「認知能力」・「非認知特性」の3つに分けて記載します。
運動能力

スポーツ技能とは、特定のスポーツにおいて成果を上げる為に必要な実践的・具体的な動きの技術を指します。
ボルダリングの主なテクニックを以下に記載します
グリップ系(掴み方)
手で掴むホールドの形や大きさは其々違います。
また掴む体勢や次のホールドの位置もムーブごとで異なります。
そのため、状況や自身の状態にあった効果的なグリップを行う必要があります。
主なホールドの種類 | テクニック例 |
---|---|
スローパー | 指ではなく手のひら全体で押さえるように持つ。体の角度が重要。 |
クリンプ | 小さいホールドを指先で持つ(関節に負荷がかかるので注意が必要)。 |
オープンハンド | 指を自然に開いてホールドを包むように持つ。 |
フットワーク系(足の使い方)
グリップ系と同様に足の置き方においても、フットホールドの形・大きさや状況、自身の状態にあった効果的な方法が必要になります。
主なテクニック名 | 説明 |
---|---|
エッジング | シューズのつま先や外側・内側を使って、フットホールドの端に立つ。 |
スメアリング | フットホールドがない場所でも壁に足裏全体を押しつけて摩擦で支える。 |
ヒールフック | かかとを引っかけて体を引き寄せたり安定させたりする。 |
トウフック | 足のつま先や甲を使って壁やフットホールドに引っかける動き。 |
ドロップニー | 膝を内側にねじりながら足を置き、重心を安定させる。 |
ボディムーブ系(バランスを取る方法)
ボルダリングは、難易度が上がるにつれて姿勢が不安定になりやすくなり、次のホールドまでの距離や角度も、簡単には移動できなくなっていきます。
そのため、いかに無駄な力を使わず、省エネで体力を温存するかが重要であり、そのカギとなるのが「体の使い方(=ボディムーブ)」です。
テクニック名 | 説明 |
---|---|
サイドプル | 横に引く動きなので、重心を反対側に逃がす必要がある |
ガストン | 外側に押すため、体を壁に近づけて支点を作る必要がある |
フラッギング | 片足を横や後ろに伸ばして、回転しそうな体を安定させる |
ドロップニー | 膝を内側に倒して、重心を下げて安定させる。動きの範囲も広がる |
ステミング | 両手両足を突っ張ることで、体を浮かせた状態でも安定を保てる |
ムーブ系(移動の仕方・動作の方法)
ボディムーブが適切に行えても、実際に移動する際の身体の動きが曖昧で失敗に終われば、全てが水泡に帰してしまいます。
そのため、ボディムーブに加えて、移動時のムーブ系テクニックを正しく使うことが重要になります。
主なテクニック名 | 説明 |
---|---|
デッドポイント | 一瞬体が「ふわっ」と浮いたタイミングでホールドを取りに行く。 |
ダイノ(ダイナミックムーブ) | 助走や反動を使ってホールドへジャンプするように飛び移る。 |
マントリング | 上部に乗り上がるような動き(岩の上に体を乗せるようなイメージ)。 |
認知能力

認知能力とは、簡単に説明すると人が情報を理解し、覚え、考え、判断し、問題を解決するために使う知的な能力全般を指します。
ボルタリングの利用では、以下の認知能力の向上が考えられます。
- 記憶力
-
一度登ったコースや動作の順番、ホールドの位置を記憶する必要があります。
その行為が作業記憶や短期記憶の活性化に繋がります。
- 空間認知力
-
壁面上のホールドの位置や壁の斜度、自分の身体の位置を把握し、最適な動きを選択します。
その行為は身体の位置感覚、距離感、方向感覚を高めます。
- 注意・集中力
-
小さなホールドを的確に掴み、足場を間違えないように集中します。
持続的注意力・選択的注意力の強化に繋がります。
- 遂行機能
-
目標を達成するために思考や行動を計画・調整・制御します。
- 問題解決力
-
ルート(コース)を見て、どのように登るかを計画・試行錯誤します。
論理的思考、仮説検証能力、柔軟な思考力を養います。
- 自己調整力
-
自分の体力・技術を客観的に見つめ、課題の難易度を調整します。
メタ認知力、感情・行動のセルフコントロール力を育みます。
- 視覚-運動協応
-
ホールドを見てそこに手を伸ばし掴んだり、足を置いたりします。
眼で見た情報に基づいて、身体(特に手足)を正確に動かす能力を育みます。
- 身体スキーマの形成
-
ホールドを握る、足を置く、体をひねるなど、身体の各部を細かく使い分ける動作が多くあります。
自分の手足が今どこにあるか、どの角度かを無意識に認識し、調整することが必要になります。
このプロセスを繰り返すことで、身体位置の自己認識(身体地図)が精緻化されます。
非認知特性

非認知特性とは、人間としての行動的・情緒的な資質を指します。
ボルタリングの利用では、以下の非認知特性の向上(一部)が考えられます。
- 忍耐力・粘り強さ
-
ボルダリングの利用は、非認知特性の一つである忍耐力や粘り強さ(グリッド)を育むことに繋がります。
思い通りに登れなかったり、途中で力が尽きて失敗したりする場面でも、あきらめずに何度も挑戦することで、困難に立ち向かう力が育まれます。
そして、そうした挑戦の先にある「やり遂げた」という成功体験が、次の課題への挑戦意欲や継続する力に繋がっていきます。
- 自信・自己認識
-
ボルダリングでの目標とするコースのクリアは、自信・自己認識を高めます。
目標コースのクリアは、「やればできる」という成功体験が自信につながります。
自己効力感や自己肯定感とも呼ばれます。
- 自制心・衝動のコントロール
-
ボルダリングの利用は、自制心や衝動のコントロールを育む経験にもなります。
姿勢が崩れたり、身体を支える力が尽きてしまうと落下するという緊張感のある状況の中で、恐怖や不安、失敗への焦りや悔しさといった感情にも向き合い、それらをコントロールする力が求められます。
こうした経験を繰り返すことで、感情をコントロールしながら冷静に行動する力=自制心・衝動の調整力が養われていきます。
- 自立心・自己決定力
-
ボルダリングの利用は、自立心や自己決定力の育成にもつながります。
特に子どもの場合「自分からやってみたい」と思い、自ら挑戦することで、主体性や意思を持って行動する力が育まれます。
また、「コースの選定」「登り方」といった目標や方法を自分で考え、決定する経験を通じて、自己決定力も自然と育っていきます。
- 社会性・協調性
-
ボルダリングの活動は、社会性や協調性の発達にも繋がります。
例えば、「順番を守る」「順番を譲る」「応援する」「登り方を教え合う」といった場面を通して、他者との関わり方や集団のルールを学ぶことでできます。
このような経験の積み重ねが、他人への配慮や協力する姿勢=社会性・協調性の基礎を育むことに繋がります。
懸念される点
ボルタリングを利用することで懸念される点を「ケガ」・「難易度問題」・「衛生面」・「トラブル」・「遊び方」に分けて説明します。

ボルダリングの利用においては、ケガのリスクにも注意が必要です。
子どもの場合だと、落下の着地による「足・膝の捻挫・打撲」が基本的に多いです。
他にも落下時の「お尻の打撲」「擦り傷」、長時間ホールドを掴む「手の平や指の肉刺・皮むけ・爪の割れ・剝れ」や不意に手をついた際や手首に力を入れ過ぎた際に「手首のケガ」が起きる可能性が考えられます。
また起きる可能性は低いですが注意すべきケガは、ホールドを掴む「指の腱の損傷」「TFCC損傷(手首の安定性を保つ重要な役割を持つ部分の損傷)」「肩のケガ」「脊椎損傷」「骨折」「脳震盪」があります。

ボルタリングの利用は、年齢や身体的特性、運動能力等に対して難易度が高すぎる場合、様々な問題が生じる可能性があります。
目標や課題がその子どもにとって不適切な水準であると、恐怖心が強くなったり、ケガのリスクが高まったり、遊びへの意欲や行動範囲が制限されたりすることがあります。

ボルダリングは不特定多数の人が触れるため、常に清潔とは言い難く、衛生面での配慮が必要です。
一部においては抗菌コーティングが施されているものもありますが、経年劣化によりその効果が徐々に薄れる可能性があり、完全な無菌状態が保たれているわけではありません。

ボルタリングを利用する際は、事前に周囲に人がいないことを確認し、安全を確保した上で利用する必要があります。
反対に、登っている人の真下や近づく行為は危険なため絶対に避けましょう。
利用中は、登る事に頭を使っているため、周囲への注意が疎かになる場合があり、下に人がいても気づいていない場合があります。
また、難易度問題にも関連しますが、他者に無理な登り方を強要したり、故意に妨害したりする行為は、ケガやトラブルの原因になります。

「能力に適していないコースの利用」「ルールを無視した登り方」「ホールドが濡れて滑る・マットが濡れている」「不適切な服装での利用」など、危険を伴う遊び方をが見られることがあります。
これらの行為は、バランスを崩して落下したり、他者と接触してトラブルを引き起こす可能性があり、大きなけがにつながる危険性があります。
そのため、安全な範囲での使用と危険な行動をしないような指導・見守ることが大切です。
ボルダリングが出来る公園・広場の紹介
ボルダリングが利用できる・又はボルタリングの要素を含む遊具が設置された公園・広場の中からいくつかピックアップして紹介したいと思います。
大阪府は豊中市にあります「グリーンランドひろば」は、旧ごみ焼却施設の跡地を利用して芝生エリアやボルダリング遊具、幼児用遊具、健康遊具、遊歩道、休憩場所を設置し、緑と調和した安全・安心なごみ処理施設を目指しています。

長野県にあります「荒神山スポーツ公園アラパ」は、公園内にあるスポーツ施設です。
子供から大人までがボルタリングをはじめ様々なアクティビティを体験できます。

栃木県はさくら市にあります「総合公園多目的広場」は本格的なスポーツ施設でサッカー・テニス・野球・ソフトボールのコートやグラウンドが設置されています。
また、ボルダリング壁は複数設置されている壁打ち施設の裏側にあり、自由に利用することが出来ます。
神奈川県は横浜市にあります「大場富士塚公園」は、円形の大きな壁があり、その斜面にボルタリングの要素を含むホールドが一部に設置されており、登ったり降りたりして遊ぶことが出来ます。

以上が公園・施設の「ボルダリング」をやってみようの紹介になります。
未だ普及途中ですが、近くの公園・施設にあればチャレンジしてね!!
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