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登り棒とは!?
記事に興味を持っていただきありがとうございます。
この記事では、公園・学校の設置型遊具である「登り棒」について紹介します。

概要と対象年齢
「登り棒」は、2000年代以前において多くの公園や小学校に設置されてきましたが、それ以降、安全性の問題から新しく設置することはほとんどないのが現状です。
そのため現存するものをメンテナンスすることで維持しています。
骨組みは金属のパイプで構成され、一部遊具は樹脂コーティングがされています。
登り棒は、垂直に立てられた金属製の棒(高さ:約2.5〜3.5m)が複数本、一定間隔で並んで設置されており、上部は水平な支柱または横桁に接合され、安定性を確保しています。
6歳から12歳
対象年齢以上の人の利用は、強度・安全性の問題(設計上)において避けるべきとされています。
登り棒の遊び方
はじめにビギナー(初心者)向けの遊び方を紹介します。
決めた【移動回数】または【目標位置】まで登ってみよう。
1本登りの棒を選び、手足を使って目標達成まで登ります。
その場でポーズ(止まる)し、ゆっくり降りてきます。

登る感覚やバランスを養う初歩的なステップです。
基本的な遊び方を紹介します。
登り棒のてっぺんまで登ってみよう。
1本の登り棒を選び、手足を使って最上部まで登ります。
その場でポーズ(止まる)し、ゆっくり降りてきます。
しっかりと安全を確認しながら挑戦しましょう。
応用的な遊び(難易度:中~高)を紹介します。
2本の登り棒を使って登ってみよう。
隣り合わせの2本の登り棒を選び、2本の間に立ちます。
右手で右の登り棒、左手で左の登り棒を握ります。
足も使いながら、左右交互に手を動かして上まで登ります。
手だけで登ってみよう。
足の力を使わずに手の力で一番上まで登っていきます。
筋力・握力・腕の持久力が必要で、高い難易度となります。無理のない範囲で挑戦してください。
頂上でポーズをとってみよう。
頂上まで登ったあと、片手または片足を軽く離してポーズをとってみましょう。
バランス感覚と体幹を鍛える遊びですが、安全第一で行ってください。
反復して登り降りしてみよう。
てっぺんまで登って降りてを繰り返します。
持久力や体力、集中力を育てることができます。
疲れすぎないよう、回数を調整することと速く登ろうとし過ぎないようにしましょう。

上記以外にも、遊び方はあります。
しかし、安全性の視点から割愛します。
幼児や小学校低学年の子どもの利用において、保護者の同伴(監視・サポート)が設定されている公園もあります。
法的なものではないものの、自治体や公園管理者によって設定されたルールです。
利用する人は従う必要があります。
登り棒の利用で受ける影響とは
登り棒で遊ぶ事で、利用者にどんな影響があるのかについて「期待できる効果」・「懸念される点」に分けて説明します。
二つの内容に関しては、本来差があるものも同列に扱っています。
そしてそれらは、流動的に変化することに注意してください。
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期待できる効果
鉄棒を利用することで期待できる効果を「運藤能力」・「認知能力」・「非認知特性」に分けて記載します。
運動能力

基礎的運動能力とは、簡単に説明すると日常生活や運動・スポーツを行う土台となる基本的な身体の動きの能力を指します。
登り棒の利用では、以下の能力の向上が考えられます。
動作 | 該当する運動能力 | 説明 |
---|---|---|
握る・離す・手足で押す・引く | 操作系 | 『腕と足で登る場合』両手で棒を上下で間隔を空けて握り、肩・肘の高さや手指の位置・動き、力加減を状況に応じて調整します。 足は両足の足裏で棒を挟むように掴みます。 この時、股関節の開き、股膝足の曲がり具合で挟む位置(高さ)や力加減を調整します。 手足の動きが連動することで姿勢を安定させ、タイミングよく両足の踏ん張りや挟む力による上方への身体の移動と両腕の力を使った上方への押し上げで登ることができます。 このように、登り棒では道具(棒)を使って身体を巧みに操作する力が求められ、操作能力が自然に養われていきます。 |
登る・降りる・滑る | 移動系 | 自分の意思に沿って、腕と足で身体をコントロールして登ります。 『腕と足で登る場合』棒を挟む両足がタイミングよく力を発揮し、身体を上方に押し上げます。 同時に腕でも身体を引き上げる動作が行われます。 そして『一番上まで登る事を繰り返した場合』一回の移動距離・反復回数・スピード・リズムと自分の身体の動きを自分の感覚と統合していく力を育みます。 |
揺れの制御 | バランス | 登り降りの際に、姿勢を安定させ重心移動をスムーズにします。 |
上記の表において、「動作」の「該当する運動能力」を一つ記載しています。
これは、その動作に最も関係が深い能力を示したに過ぎず、他の能力が関わっていないという意味ではありません。
認知能力

認知能力とは、簡単に説明すると人が情報を理解し、覚え、考え、判断し、問題を解決するために使う知的な能力全般を指します。
登り棒の利用では、以下の認知能力の向上が考えられます。
- 記憶力
-
過去の記憶や経験、他人の動きなどを参考にします。
- 空間認知力
-
登り棒では、自分の位置・向きや棒との距離感・棒の高さ・角度・太さ・形状を自動的かつ選択的に把握しています。
もう少し具体的にすると、登り棒を使う際に身体と棒との位置関係や、自分が次にどこを掴むか、足をどこに置くかなどを、視覚・触覚などの感覚を通して情報を得ています。
そしてそれらの感覚情報を脳内で空間的なイメージを再構成し次の動き(運動計画)を予測・調整しています。
- 注意・集中力
-
登り棒において、一番上まで登る為には、一瞬の動きやタイミングを判断する必要があります。
なぜなら、手足の置き場が明確に決まっていない長い棒に、全身の力を使ってしがみ付きながら登るという身体的・精神的集中を要する活動だからです。
そのため、登り棒の活動では、細部に注意を向ける力や、持続的に集中する力が自然と育まれます。
- 遂行機能
-
例えば、「一番上まで登りたい」という目標に対して、その達成に集中し、手足の動きを順序立てて計画し、実行します。
さらに、登る途中で状況や自分の状態が変化した場合には、その都度、行動を調整・修正しながら登っていく必要があります。
こうした一連のプロセスは、まさに遂行機能の中核である目標設定・計画・実行・自己調整の力を育む活動です。
- 問題解決能力
-
登り棒の活動は、問題解決力の発達にも大きな影響を与えます。
たとえば、「うまく登れない」「滑る」「痛い」「怖い」「疲れる」など、さまざまな困難に直面する中で、どうすれば上手く登り切れるかを自分で考え、工夫しながら取り組む必要があります。
このような試行錯誤の過程を通して、自分で課題を見つけて解決しようとする力=問題解決力が自然と育まれていきます。
- 自己調整力
-
登り棒の活動は、自己調整力(メタ認知)の発達にもつながります。
たとえば、「今日は棒の一番上まで1回登ろう」「今日は雨で棒が濡れていて滑るからやめておこう」「失敗してもイライラせず前向きに考えよう」といったように、そのときの状況や自分の心身の状態を客観的に捉え、行動や気持ちを自分で調整する力が自然と育まれていきます。
このような自分を振り返り、状況に応じて行動を選択・調整する力は、まさにメタ認知的な自己調整力の土台となるものです。
-
登り棒の活動は、視覚-運動協応(視覚運動統合)にも良い影響を与えます。
棒の位置や高さ、手足の距離感など、視覚から得た空間情報をもとに、身体の動きを正確に調整する必要があるため、視覚情報と運動制御を連携させる力が自然と育まれます。
- 身体スキーマの形成
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登り棒で継続して遊ぶことで、自分の身体の動かし方や力加減、タイミングやリズムを無意識に調整できる力が育まれていきます。
これは、自分の身体の位置や動き、各部位の関係性を脳内で把握し、自然にコントロールする能力=身体スキーマの発達に関係しています。
非認知特性

非認知特性とは、人間としての行動的・情緒的資質を指します。
登り棒の利用では、以下の非認知特性の向上(一部)が考えられます。
- 忍耐力・粘り強さ
-
登り棒の活動は、非認知能力の一つである忍耐力や粘り強さ(グリット)を育むことにつながります。
思い通りに登れなかったり、途中で滑って失敗したりする場面でも、あきらめずに何度も挑戦することで、困難に立ち向かう力が育まれます。
そして、そうした挑戦の先にある「やり遂げた」という成功体験が、次の課題への挑戦意欲や継続する力につながっていきます。
- 自信・自己認識
-
登り棒での目標達成は、自信・自己認識を高めます。
目標達成は、「やればできる」という成功体験が自信につながります。
自己効力感や自己肯定感とも呼ばれます。
- 自制心・衝動のコントロール
-
登り棒の活動は、自制心や衝動のコントロールを育む経験にもなります。
手を離したり滑ったりすれば落下するという緊張感のある状況の中で、恐怖や不安、失敗への焦りや悔しさといった感情に向き合い、それらをコントロールする力が求められます。
こうした経験を繰り返すことで、感情をコントロールしながら冷静に行動する力=自制心や衝動の調整力が自然と養われていきます。
- 自立心・自己決定力
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登り棒の活動は、自立心や自己決定力の育成にもつながります。
子どもが「自分からやってみよう」と思い、自ら挑戦することで、主体性や意思を持って行動する力が育まれます。
また、「どう登るか」「どこまで登るか」といった目標や方法を自分で考え、決定する経験を通じて、自己決定力も自然と育っていきます。
- 社会性・協調性
-
登り棒の活動は、社会性や協調性の発達にもつながります。
たとえば、順番を守って待つ、登っている友達を応援する、登り方を教え合うといった場面を通して、他者との関わり方や集団のルールを学ぶことができます。
このような経験の積み重ねが、他人への配慮や協力する姿勢=社会性・協調性の基礎を育むことにつながります。
懸念される点
登り棒の利用で懸念される点を「ケガ」・「難易度問題」・「衛生面」・「トラブル」・「遊び方」に分けて説明します。

登り棒の利用においては、けがのリスクにも注意が必要です。
一般的な登り棒は高さがおおよそ2.5〜3.5メートルあり、明確な足場や手を掛ける部分がないため、落下によるけがの危険性が伴います。
また、棒を強く握ったり、太ももなどの内側で支えたりする際には、摩擦によってやけど(熱傷)やまめ(肉刺)、皮膚の擦過傷などが生じる可能性もあります。
さらに、自分の体重を支えながら登る動作は、筋肉や関節への負担が大きく、筋肉系のけが(筋肉痛や筋断裂など)につながることもあります。

登り棒の活動では、年齢や身体的特性、運動能力などに対して難易度が高すぎる場合、さまざまな問題が生じる可能性があります。
目標や課題がその子どもにとって不適切な水準であると、恐怖心が強くなったり、けがのリスクが高まったり、遊びへの意欲や行動範囲が制限されたりすることがあります。

登り棒は不特定多数の子どもが触れるため、常に清潔とは言いがたく、衛生面での配慮が必要です。
一部の遊具には抗菌コーティングが施されているものもありますが、経年劣化によりその効果が徐々に薄れる可能性があり、完全な無菌状態が保たれているわけではありません。

登り棒を利用する際は、事前に周囲に人がいないことを確認し、安全を確保した上で行う必要があります。
反対に、登っている人の真下や近くに近づいたり、棒を揺らしたりする行為は非常に危険なため、絶対に避けましょう。
登り棒の利用中は、急に動きを止めたり、すぐに地面に降りることが難しいため、予測できない事故や接触が起こる可能性があります。
また、難易度の問題にも関連しますが、他者に無理な登り方を強要したり、故意に妨害したりする行為は、けがやトラブルの原因になります。

「登り棒では、「無理な登り方や競争」「一番上から他の棒へ移動する行為」「逆さになる行為」「不適切な服装での利用」など、危険を伴う遊び方が見られることがあります。
これらの行為は、バランスを崩して落下したり、他者と接触してトラブルを引き起こしたりする可能性があり、大きなけがにつながる危険性があります。
そのため、安全な範囲での使用と、危険な行動をしないよう指導・見守ることが大切です。

以上が公園・学校の設置型遊具「登り棒」の紹介になります。
是非近所の公園や学校でチャレンジしてね!!
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