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雲梯とは!?
記事に興味を持っていただきありがとうございます。
この記事では、公園の設置型遊具である「雲梯」を紹介します。

概要と対象年齢
多くの公園や学校に設置されている遊具の一つです。
一般的には金属パイプの骨組みで作成されています。
形状は、梯子を横に倒し、真ん中(梯子が長い場合)と左右の支柱(垂直)で支えています。
6歳から12歳。
※雲梯のサイズで異なる為、一概ではない。
対象年齢以上の人の利用は、安全性の問題(設計上)において避けるべきとされています。
「子ども専用」「対象年齢以外使用禁止」の注意書き等がない場合、対象年齢以上の利用者は、ストレッチやぶら下がり運動に留めておきましょう。
雲梯の遊び方
雲梯の遊び方をいくつか紹介します。

まずは、雲梯の基本「ぶら下がり」に挑戦してみましょう。
頭上のバー(棒)を両手でしっかり握り、自分の体を浮かせてぶら下がります。
この遊び方は、握力や腕・肩・体幹の筋力を養うのに効果的で、誰が長くぶら下がっていられるかを競う「耐久勝負」としても楽しめます。
次のステップは、「雲梯を渡りきる」チャレンジです。
おさるさんのように、両足を宙に浮かせた状態で、頭上のバーを左右の手で交互につかみながら移動していきます。
手の入れ替えとその反動を利用して、腕と体のバランスを取りながら、反対側の足場まで進みましょう。
この動きは、握力・腕力・肩の柔軟性に加えて、リズム感や全身の連動性も養うことができます。
最初は1〜2本のバーをつかむだけでもOK。慣れてきたら、最後まで渡りきることを目指しましょう。
難易度アップ!チャレンジ編を紹介します。
「一個飛ばし」にチャレンジしよう。
通常は隣のバーをつかんで移動しますが、バーを一つ飛ばして次のバーに手を伸ばすことで、腕力やタイミングの正確さが求められます。
片手で体を支える時間が長くなるため、無理をせず、しっかり握れているか確認しながら挑戦しましょう。
「後ろ向き移動」にチャレンジしよう。
前を向いて進むのではなく、体を反転させて後ろ向きのまま移動していく方法です。
見えない方向に移動することで、空間認知力や集中力が鍛えられます。
「横向き移動」にチャレンジしよう。
雲梯のバーを両手でつかんだまま、体を横に向けて進むスタイルです。
通常の進行方向とは異なるため、バランスや体幹への負荷が変わり、より高度なコントロールが求められます。
幼児や小学校低学年の子どもの利用において、保護者の同伴(監視・サポート)が設定されている公園もあります。
法的なものではないものの、自治体や公園管理者によって設定されたルールです。
利用する人は従う必要があります。
雲梯の利用で受ける影響とは
雲梯で遊ぶ事で、利用者にどんな影響があるのかについて「期待できる効果」・「懸念される点」に分けて記載します。
二つの内容に関しては、本来差があるものも同列に扱っています。
そしてそれらは、一定ではなく流動的に変化することに注意してください。
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期待できる効果とは!?
ジャングルジムを利用することで期待できる効果を「運動能力」・「認知能力」・「非認知特性」の3つに分けて記載します。
運動能力

基礎的運動能力とは、簡単に説明すると日常生活や運動・スポーツを行う土台となる基本的な身体の動きの能力を指します。
雲梯の利用では、以下の能力の向上が考えられます。
動作 | 該当する運動能力 | 説明 |
---|---|---|
渡る・登る | 移動系能力 | 自分の身体を空間内で移動・前進させる能力を育みます。 空中でのスイング移動や体の移動方向をコントロールします。 |
支える・ぶら下がる・握る・離す | 操作系能力 | 体重を支えるためにバーをしっかりと握る必要があり、その際には手の位置や握り方、力の入れ具合を適切に調整する能力が求められます。 また、次のバーへ移る際には手を離す動作も必要であり、その際にも手指の動きや力の抜き方を繊細にコントロールする必要があります。 これらの一連の動作は、器具を扱う力を養います。 |
揺れの制御 | バランス能力 | 空中における姿勢や移動時の身体の安定化させるため手足と体幹部を連携させることが不可欠になります。 |
上記の表において、「動作」の「該当する運動能力」は、一つ記載しています。
これは、その動作に最も関係が深い能力を示したに過ぎず、他の能力が関与していないという意味ではありません。
認知能力

認知能力とは、簡単に説明すると人が情報を理解し、覚え、考え、判断し、問題を解決するために使う知的な能力全般を指します。
雲梯の利用では、以下の認知能力の向上が考えられます。
- 記憶力
-
過去の経験・記憶や他人の動きなどを参考にします。
-
どのようにしてゴールまで、若しくは目標とする場所まで到達するかの筋道を考えます。
- 空間認知力
-
自分とバーとの距離感、自分の身体の反動と移動のタイミングなど、体の位置と周囲の空間との関係を認識します。
- 遂行機能
-
「次はどのバーをつかむか」「どのくらいの力で移動するか」など、一連の動作を予測し、調整しながら実行することで、計画力・注意力・制御力などが養われます。
- 注意・集中力
-
手でのみ身体を支えているため、バーを握り損ねると落下してしまいます。
そのため、手の動き・バーの握り方・力の入れ具合・次の動作などに対して集中力を発揮する必要があります。
- 問題解決力
-
手が届かない、滑る、痛い、怖い、疲れた…などの困難を経験し、どう工夫すれば最後まで進めるかを考えることで、試行錯誤による問題解決力が養われます。
- 自己調整力
-
「今日は手が痛いからやめておこう」「途中で降りよう」「〇回チャレンジしよう」など、自分の状態を客観的に把握し、行動を調整する力(メタ認知)も自然と育ちます。
-
視覚から得た空間情報と運動の調整を連携させる力を育みます。
-
鉄棒で継続して遊ぶことで、自分の身体の動かし方や力加減、タイミングやリズムを無意識に調整できる力が育まれていきます。
これは、自分の身体の位置や動き、各部位の関係性を脳内で把握し、自然にコントロールする能力=身体スキーマの形成発達に関係しています。
非認知特性

非認知特性とは、人間としての行動的・情緒的な資質を指します。
雲梯の利用では、以下の非認知特性の向上(一部)が考えられます。
- 忍耐力・粘り強さ
-
ゴールまで到達できない、スムーズに移動できない、一個飛ばしが出来ないなど、失敗しても繰り返し挑戦するといった経験を通じて、「あきらめない力」「克己心」「挑戦し続ける力」が育まれます。
やり抜く力(GRID:グリッド)と呼ばれることもあります。
- 自信・自己認識
-
「ここまで移動できるようになった」、「前回より速くゴールできた」などという達成体験が、「やればできるんだという」という自信の向上、自己認識を高めます。
自己効力感や自己肯定感と呼ばれることもあります。
- 自制心・衝動のコントロール
-
手を離す又は滑らせれば落下する状況や失敗したを体験することで、恐怖・焦り・不安・悔しさとの向き合い方、コントロールする力を身に付けていきます。
感情のコントロールと呼ばれることもあります。
- 自立心・自己決定力
-
雲梯には指示通りの動きがないため、自分のペースで決断し行動する力が育まれます。
- 社会性・協調性
-
他の子どもとの「順番待ち」や「譲り合い」などの場面が生まれ、社会的ルールや他者との関わり方を経験できます。
懸念される点とは!?
雲梯を利用することで懸念される点を「ケガ」・「難易度問題」・「衛生面」・「トラブル」・「遊び方」に分けて説明します。

高さのある遊具で、手で身体を支え足は地面に接地していない為、落下によるケガが起きる可能性があります。
また、雲梯のバーと掴む手の間で摩擦が起こることでケガが起きる可能性もあります。
そして錆びついた骨組みに触れて切り傷を負う可能性もあります。
天候の影響で、バーが滑りやすくなっていたり、直射日光で骨組みが熱くなることがあり、その影響で怪我をする可能性もあります。

年齢や身体的特性、運動能力が雲梯の難易度と不釣合いの場合、様々な問題を生じる可能性があります。
目標や課題がその子どもにとって不適切な水準であると、恐怖心が強くなったり、けがのリスクが高まったり、遊びへの意欲や遊びの行動範囲が制限されたりすることがあります。

不特定多数の人が利用するため、常に清潔とは言いがたく、衛生面での配慮が必要です。
一部遊具では抗菌コーティング等が施されているものもありますが、経年劣化によりその効果が徐々に薄れる可能性があり、完全な無菌状態が保たれているわけではありません。

基本的に順番制を順守する必要があります。
しかし順番制ではあるが、利用者がいながら次の人がスタートすると、前の利用者にプレッシャーを与え焦らす可能性があり、それが落下などのトラブルにつながる可能性があります。
また、順番制を守らず利用者の進行方向からスタートすることで、衝突や落下などのトラブルにつながる可能性があります。
そして、本来の雲梯の目的とは異なる利用の仕方もトラブルに繋がります。
例えば、一対一の対戦形式で一方の利用者の身体を足で挟み落下させる遊びがあります。

「雲梯の上に立つ行為」「他者を故意に落下させる行為」「後ろ向きに移動する行為」などは、危険でありケガやトラブルにつながる可能性があります。
そのため、安全な範囲での使用と、危険な行動をしないように指導・見守ることが大切です。

以上が公園・学校の雲梯の紹介になります。
ゴールした時の達成感は、格別です。
是非近所の公園や学校でチャレンジしてね!!