イメージの世界を探索しよう!

当記事に興味を持って頂きありがとうございます。です。
当記事においても皆様に有益となる情報をお届けするとともに、考えるきっかけになれば幸いです。

「イメージ」に関しては、意識に関するクオリア問題などとも関連しており、科学的にはいまだ未解決で、その本質は明らかになっていません。
そのため、本記事では哲学や一部の心理学、神経科学、人類学などの分野から影響を受けた視点を含んでいることにご留意ください。
一般的にも使われる「イメージ」という言葉ですが、イメージとは何かを説明できますか?

うーん、、、モノや人物とか、何かを思い浮かべる事かな。。。

その通りですね。果物や特定の人物を頭に思い浮かべることもイメージに含まれます。
皆さん、如何でしょうか。
意外と悩んでしまい、答えに困った人も多いのではないでしょうか。
記憶・想像・脳・無意識など、色々な言葉が頭に浮かび、混乱した人もいるでしょう。
「イメージ」について一つずつ順を追って説明していきます。
「イメージ」を使う状況や場面を考えよう
次に意識的にイメージを使う状況や場面について考えてみましょう。
以下に状況や場面を挙げて、それぞれ説明します。
特定の物や人、場所を思い浮かべ、印象を持つことができる。

例えば、果物の「リンゴ」があります。
目の前にリンゴが無くても、頭の中でリンゴを思い浮かべることが出来ます。
そして味や触感、匂いも感じることが出来ます。
芸術

例えば、抽象画があります。
【具体的な事物を表すものではなく、内面的な感情や感覚、思想等を反映させるもの】です。
その為、観る人に内面の反応を引き起こします。
『カンディンスキー』が画家として著名です。
他には、音楽を聴いた際の心に浮かぶ情景や心地よさ・緊張感があります。
特定の行動に対する再現を行う時

例えば、競技スポーツにおけるサッカーで考え見ましょう。
試合の中で、コーチやチームメイトと特定のプレーに関するビジュアルを共有する時に利用します。
【特定のプレーの振り返り】の際、頭の中で、自分目線でのリプレイ映像を作り出します。
過去の出来事や経験を語る時

例えば、記憶に残る幼少期の思い出を思い浮かべる時に利用されます。
問題解決や意思決定する際に、シミュレーションする時

例えば、仕事で失敗をしてしまった時に、原因を改善する為に自身の行動を思い返す時に利用します。
「コミュニケーション」や「情報伝達」のツールとして使う時

例えば、広告やマーケティングに利用されます。
製品やサービスの魅力を伝えたいときに、「ビジュアルコンテンツ」・「セントマーケティング」・「ストーリーテリング」等を用いて、消費者に感情的な反応を引き起こします。
具体的な例えとしては、焼きそばの香ばしいソースの匂いを感じると、焼きそばのイメージが想起され、食欲を刺激し購買意欲が増すことにつながります。
他には、ピクトグラムやサインです。
ある事物や事象の説明を文字の代用として、視覚的に分かりやすい図記号で表現したものです。
具体的な例えとしては、道路標識がある。ぱっと見で何をイメージしているかが理解しやすい。
教育や学習の場面

学習を効果的に行うために、視覚教材(図形・グラフ・イラスト)を使用することで、複雑な情報を理解しやすくします。
またイメージ法(覚えたい内容とイメージを結び付けて記憶する方法)を使用することで記憶の定着をサポートします。
他者と関わる時

他者と関わる時は、相手に対してイメージを付与して接しています。
例えば、第一印象があります。
外見や所作がイメージを作り出し、今後の人間関係に大きな影響を持ちます。
宗教・精神的安定のための呼吸法実践時

例えば、瞑想です。
心の平穏のために、頭の中で大草原や海辺等の風景を思い浮かべながら、呼吸を繰り返すことを指します。
皆さん如何でしょうか?
イメージが利用される場面や状況がたくさんあることをご理解いただけたと思います。
そして一般的には「イメージ」を視覚的なものと考えることが多いようです。
しかし、実際の「イメージ」は視覚的なものだけではありません。
ほとんどの人間の行動にはイメージが関係しています。
暗闇にいると恐怖心や不安を感じる人を思い浮かべて考えてみましょう。

身体的・感覚的側面
感情とイメージ
強い恐怖心は、自動的にイメージを思い浮かべます。
自身の怖い体験やホラー映画などがあたかも現実に起きている感覚になります。
時間的・空間的な構造
イメージには、時間的流れ(順序)や発展(一定ではなく動的)があり、視覚的イメージにおいては、空間的な構造(奥行きや拡がり、モノの配置など)を再現しています。
イメージはどこからやってくるのか
それではイメージについて、著名な学者の考えを取り入れて説明していきたいと思います。
著名な学者として、スイスの心理学者・精神科医である「カール・ユング(1875-1961)」取り上げてみます。
ユングは、イメージとは無意識の深層にある象徴的で抽象的なものと捉えました。
それらは、個人の無意識、集合的無意識(アーキタイプ)、シンボル(象徴)が関連していると考えました。
要するにイメージとは、本人すら自覚することが難しく、心の深層で個人の行動に影響を与える存在ということです。
イメージは、常時様々な多義的な要因が動的に変化します。
そのため言語化することが難しいです。
もう少し、掘り下げてみましょう。ユングの考えるイメージを作り出す要因について考えてみましょう。
タップすると詳細が見れます。
個人の無意識
個人の経験・記憶・感情・欲望・抑圧された思考などが蓄積された無意識の領域を指します。
要するに、個人がこの世界に誕生してから現在までの歴史が構成しています。
そしてそこには、潜在的な能力や知恵も含まれ、適切なタイミングで浮かび上がってくるといいます。
中身の忘却・抑圧・葛藤・潜在能力についてに記載します。

忘却や抑圧において重要なのは、記憶や体験が完全に消え去ってしまうわけではないという点です。
それらは、ある特定の状況や場面において、意識に上ってこないだけなのです。
簡単に言うと、ある条件がそろわないと表に出てこない=思い出せないということです。
とりわけトラウマや強い感情を伴う体験については、深い抑圧が働き、記憶を意識に引き出す作業は容易ではありません。
しかし、それ以外の多くの記憶や体験については、何らかのきっかけによって思い出すことが可能だとされています。
また、乳児期など非常に早期の体験や記憶は、意識的に思い出すことは困難、あるいは不可能とされていますが、それらも無意識の領域には痕跡として残り、私たちの心理や行動に影響を与えていると考えられています。
✚をタップすると詳細が見れます
忘れた記憶や過去の体験
私たちにとって、「忘れる」というのは当たり前に起こることです。
生まれてから現在までの記憶や体験が全て思い出せる人はいないでしょう。
しかしそれらは、意識に上がってこないだけで、完全に忘れ去られているわけではありません。
忘れた記憶や過去の体験は無意識の領域に蓄積され、意識的に忘れていても現在の行動や感情、反応に影響を与えています。
例を以下に記載します。
私たち人間は、忘却とも関係しますが、記憶や感情を無意識に抑圧する事があります。
例えば次のことが考えられます。
社会的・道徳的に許されない感情や欲望は抑圧されます。
例えば○的欲求や○力行為があります。
過去に自分の行動や思考に対して、強い 羞恥感 ・罪悪感を経験すると、無意識にその感情を抑圧します。
そしてその後、個人の行動や感情、自己評価や対人関係にも影響を与えます。
トラウマは、その記憶や感情が無意識に抑圧されます。
未解決・未完了な問題と葛藤は、無意識に行動や感情などに影響を及ぼします。
「やろうと思っている」ができていない又は途中である事。「やらなければいけない」ができていない又は途中である事などは、無意識にその葛藤が行動や感情に影響します。
たとえば、部屋を片づけたいと思っていても、実際に手をつけられていないと、なかなか勉強や作業に集中できないことがあります。
まだ発揮されていない才能や成長のための潜在能力を指します。
集合的無意識と関係して適切なタイミングで浮かび上がってきます。
例えをに記載します。
集合的無意識
人間には共通して、普遍的な元型(アーキタイプ)が無意識の中にあらかじめ備わっているとされています。
それらは【共通する(パターンや象徴)として現れます。】
要するに、物語や神話に登場するキャラクターは、私たちの無意識に存在する元型(アーキタイプ)が具現化されたものだと言えます。。
アーキタイプは、私たちが成長していく中で変わったり、少しずつ発展していったりします。
ユングはこれを「個性化」という過程で説明しています。
個性化っていうのは、無意識にあるものを意識できるようにして、心の中のバラバラな部分をまとめていくことなんです。
以下にアーキタイプの一部を紹介します。
✚をタップすると詳細が見れます

「英雄」は、試練や困難に立ち向かい、勝利を収める人物として描かれます。
このアーキタイプは、【自己実現の過程で直面する問題や課題に対して戦う象徴です。】
英雄はしばしば、他者や自分を救うために、困難を乗り越える能力を持っています。

「老賢者」は、知恵、洞察、経験、導きの象徴です。
このアーキタイプは、【人生の経験や内面的な成熟を反映しており、精神的な指導者や導き手として現れることが多いです。】
ユングは、自己の中で「老賢者」を見つけることが、精神的な成長を促すと考えました。

「影」は、個人が意識的に認めたくない、または社会的に受け入れがたい側面、すなわち「抑圧された自己」や「否定的な側面」を象徴します。
影は【通常、無意識の中に隠されており、自己実現の過程で向き合うべき重要な側面です。】
わかりやすい例えとしては、スターウォーズのダークサイドが当てはまるのではないかと思います。

「子ども」は、純粋さ、無垢、無限の可能性、創造性を象徴します。
このアーキタイプは、【未来への希望や、未開発の潜在能力を表し、個人の成長や新しい始まりを示唆します。】
したがって、「子ども」というイメージは大人になることで失われるものではありません。
大人になっても、さまざまなことに興味や関心を持ち、挑戦し続けることで学び、成長し続けることは十分に可能です。
シンボル(象徴)
シンボルとは、無意識という深層の状態が意識に浮かび上がってくる現象を指します。
シンボルを通じて無意識と意識が結びつき、自己理解や心理的な成長が促されると考えられています。
要するに無意識からのメッセージを通じて、自己を見つめ直すことで、心の安定、成長へと繋がるという事です。
例をに記載します。

ユングの考えによれば、一般的に言われる視覚的な「イメージ」は、イメージ全体の一側面に過ぎません。
本来の「イメージ」とは、無意識の深層から生じ、個人の行動や感情、思考といったさまざまな表現を通じて現れてくるものです。

そうですね。広範的な意味を持ち、私たちの表現はイメージが必ず付与されているという事ですね。
ユングが提唱した「イメージ」については、他の学者から賛否両論があります。
ただし、否定的な立場をとる人々も、ユングの理論全体を否定しているわけではありません。
特に、イメージにおけるアーキタイプやシンボルの普遍性に関しては、多様な文化や個人の背景を一律の枠組みに当てはめることに対して、疑問の声が上がっています。
しかし、だからといってユングの理論そのものが誤っていると結論づけることはできません。
実際、今日においてもユングの理論を基盤とした心理療法は数多く行われており、その有効性も一定の評価を受けています。
【スポンサーリンク】
イメージの本質とは何だろう?
前記において、ユングの視点を通じてイメージについて記載しました。
しかしそこでも書きましたが、イメージに関する考えは、ユングのみならず、様々な学問からのアプローチがあります。
そのため、現時点でのそれらの学者の考えに共通するイメージの本質についてまとめてみたいと思います。

どんな学問からのアプローチがありますか?

哲学・心理学・人類学・認知心理学・神経科学からのアプローチがあります。
哲学においては現象学や実存主義、構造主義、精神分析があります。
に共通するイメージの本質について記載します。タブをタップすると詳細が見れます。
外界の情報の受け入れ
- 無意識的
- 意識的
自分自身は自覚していないが、外側の世界の刺激は感覚受容器を通じて、脳で常時処理されています。
そのため当たり前に、『目の前の情景』、『他人の声や動物の鳴き声』、『食べ物の香りや味』、『暖かい暖房の風』等を感じられます。
外界の情報を無意識的に認識しながらも、ある事物や事象に意識的(自覚)に焦点を当てた際には、意図的にそれらを解釈・判断しています。
たとえば、街を歩いていて何気なく風景を目にしていても、赤い花にふと目が留まり、「きれいだな」と感じたとします。
このとき、花という視覚情報は無意識的にも処理されていますが、「赤い花が美しい」と感じる瞬間には、意識的な焦点と個人の内的状態(たとえば感情や過去の記憶)が関わっています。
これは、イメージの一部でもありますし、内的状況との関係が含まれます。
内的な状況
- 無意識的
- 意識的
記憶や過去の経験、抑圧、葛藤、感情、思考、価値観、アイデンティティ、防衛機制、身体的反応、直感、自己規制等があります。
これらは自覚せずに、行動に影響を与えています。
記憶や過去の経験、抑圧、葛藤、感情、思考、価値観、アイデンティティ、防衛機制、身体的反応、自己規制があります。
例えば、無意識に感じた内的な感情を、意識的にメタな視点で考えることが出来ます。
また、無意識の直感的な思考を意識的に捉え、直感を信じるのか論理的に再考するのかを選択できます。
初対面の人に対して「なんとなく信頼できそう」と直感的に感じたとき、その直感をそのまま信じるか、それとも「本当に信頼できるかどうか、もう少し様子を見て判断しよう」と論理的に再考することもできます。
これは、無意識の感覚を意識に引き上げて判断している例です。
さらに、忘れていた昔の出来事を、何かのきっかけで「思い出そう」と意図的に振り返る行為も、意識的な働きのひとつです。
上記の内容が流動的に複雑な相互関係を通じて心に現れる表象がイメージです。

「競技中とプライベートで性格が違う人」や「内弁慶」と呼ばれる人などがいるのもわかりますね!

そうですね。「環境が変わると人は変わる」「一回性」というフレーズがありますが、的を得ていますね。
イメージは「外界の情報受け入れ」と「内的な状況」からの再構成であり、意識的にネガティブな過去の経験や記憶と向き合い、捉え方などの思考を変えることもできます。
しかし、それが上手く良い方に向くとは言い切れません。
関係が複雑が故に簡単にはいきづらいのが現状です。
イメージの正確性
前記してきた通り、人間の行動や感情のほとんど(ユングの場合は全て)にイメージは付与されています。
さてそのイメージは正しいのでしょうか。
ここまでの内容を理解されている方は、わかると思います。

ただ録画された映像が再生されるという表現ではなく、その時の外界の情報の受け入れや内的な状況の相互関係で再現している。それは自己のフィルターを通したものだから客観性に欠ける気がする。

その通りですね。イメージには解釈も含まれるので、意図的に再現されたもので正確性に欠けますね。
イメージは、客観性に欠けます。
重複しますがイメージは【自己の内的なフィルター】を通じて、自身の心に現れるもので、様々な経験や感情、記憶、解釈等により変化します。
そして同じイメージを相手の心に表すこともできません。
客観性を得るために内的なプロセスを省こうとしても、記憶自体が過去の経験や感情とリンクしているため、簡単ではありません。
またその新たな行為自体によってイメージが違うものに再構成されているかもしれません。
トラウマや過去の経験について、自身が向き合う場合はとても大切で重要な事です。
しかし特定の状況に対して客観性などの正しさを求め続けることは、イメージを結局は別のものに変化させている可能性がある事に注意が必要です。

前記にて、イメージは客観性に欠ける事を説明しましたが、極稀に、特殊な能力を持つ人がこの問題に登場します。
それは「映像記憶」を持つ人です。
たいていの視覚記憶は、短期間の視覚的情報を保存するもので、それが一般的です。
しかし映像記憶を持つ人は、写真のように視覚情報を詳細に保持し、再現できるといわれています。
しかしこの記憶も短期間保存しかできないとされていて、長期保存の為には意味付けという他の知識や経験と組み合わせる必要があるようです。
映像記憶を持つ人であっても、内的なプロセスを省いてイメージを起こすことは出来ないとされているため、ここでも客観性に欠ける事が理解できると思います。
最後に
最後まで、記事を読んで頂きありがとうございます。
拙い文章で申し訳ありませんがご理解いただけたら幸いです。
イメージは、一般的によく使われる視覚的な事だけでなく、もっと広範な意味を持ちます。
イメージは私たちのほとんどの行動に影響を与えている存在です。
【イメージを通じて自身の内側に意識的に向き合うことで、無意識という未知への冒険が始まります。
冒険には紆余曲折あり真っすぐな道のりではありません。
そしてゴールもありません。
生涯を通じて関わっていくのです。】
遊び・運動・スポーツなどにおいても、「イメージ」の考え方は大事です。
コミュケーションを取る際は特にイメージの影響が強くなりますが、「イメージ」は自己完結で主体的なものです。
現時点ではイメージを他者に100%伝えることは不可能です。
そのため、[伝える側・聴く側〕の両者がこの考えを前提として行動する事を推奨します。
それでは、別の記事でまた会いましょう。
コメント