「生活と運動」を「健康」と紐づけてお伝えしていきます。
皆様の生活のヒントになれば幸いです。
記事を読む前提に2つお伝えします。
身体及びこころの健康を保つための三要素は、適度な「運動」、バランスの取れた「栄養・食生活」、心身の疲労回復と充実した人生を目指す「休養」とされている。
厚生労働省HPより引用
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」
公益社団法人日本WHO協会HPより引用
「運動」以外にも身体を動かすことはできる
「健康のために身体を動かす」と聞くと、多くの人は「運動をする」というイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし私たちは、一般にイメージされる「運動」以外にも、日常生活のさまざまな目的を果たす中で身体を動かしています。
それらは生活活動といい毎日無意識な中でも行われています。
下記に生活活動の例を一部記載します。

運動はしていないけど、生活活動で十分身体を動かしている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
極端な例ですが、有名な昔話「桃太郎」の一部を紹介します。
頭の中でイメージしながら読んでみてください。
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。まいにち、おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
楠山正雄「桃太郎」より引用
それでは質問に移ります。
日本昔話「桃太郎」に登場するおじいさんとおばあさんの生活活動の強度は、高いと思いますか?それとも低いと思いますか?
個人的なイメージ・感想にとどまりますが、私は「高い」と考えます。
現代では、生活活動を支える「インフラや家電製品の充実」、さらには「自動車などのモビリティの発達による移動手段の増加」、「仕事のスタイルの変化」といった快適な生活が当たり前になっています。
しかし、昔はそのようなものは存在せず、移動手段も自分の足しかありませんでした。
現代においても、自給自足で生活する人は一部いらっしゃいますが、社会的な恩恵は少しでも受けていると思います。
そのため、現代において大部分の人は生活活動という側面を見ると、低い可能性が推測できます。
前記の話は、生活活動に焦点を当てた内容になります。
生活活動が高ければ、健康であるという事ではありません。
健康に影響を与える一つの側面であることに留意してください。
また生活活動と運動を合わせて『身体活動』と呼びます。
そして、毎日の適切な身体活動量に関しては、 性別や年齢等で異なり METS などを使って身体活動を数値化して組み立てます。詳しくは別の記事を参照してい下さい。
運動する時間が減っている⁉

近年はスマートフォンやタブレット機器の普及・利用、屋内外でのテレビ・スマホゲーム時間(スクリーン時間)の増加など、身体を動かす時間が減少しています。

ガーン…。毎日ゲームをやってる…止めた方が良いのかな?

ゲーム等が悪いわけではありません。問題は利用時間が増加し、運動時間に影響が出ることです。
以下にスポーツ庁の「スポーツの実施状況等に関する世論調査」を貼付ています。
また新型コロナウイルス蔓延による影響も一部の方の運動時間減少に拍車をかけています。
緊急事態宣言や三密を避けるなどプライオリティが変化したことで、公共交通機関やスポーツジム、室内での習い事を避ける人が出てきました。
しかし電車やバス通勤をしていたが、三密を避けるべく自転車や徒歩通勤に切り替える人も出てきました。
勿論コロナ禍以前より増加はしたものの、全体的に見れば自転車や徒歩通勤の割合は少ないです。
自家用車の利用が多くの割合を占め、増加しています。
以下にニッセイ基礎研究所の「データで見るコロナ禍の行動変容(4)-移動手段の変容~公共交通機関からパーソナル手段へのシフト」を貼付ています。
人間中心の未来社会と運動に対する怠惰

コロナ禍が収束化し始め、人々の行動変化にどう影響していくのか。
年齢層・職種、そして個々人の意識による違いはあるものの、徒歩通勤が増加するかは懐疑的な立場です。
私たちが暮らしている社会は、科学技術の発展とともに変化しています。
現在日本が目指す未来社会 ソサエティー5.0 は人間中心の社会に進行していきます。
Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。
内閣府より引用
ソサエティー5.0 が目指す人間中心の社会はとても完全無欠に近く、惹かれる人も多いでしょう。
しかし「人間は基本的に怠惰である」という言葉が心に響きます。
ここで言いたいのは運動することに対してです。
実際に前記のスポーツ庁における「スポーツの実施状況等に関する世論調査」において、実施頻度が減ったあるいは増やせない理由として29.4%の人が面倒くさいからと回答しています。
そして運動に無関心な人も16.6%おり前年より増加しています。
便利な社会になる一方で懸念される事です。
勿論日進月歩のデジタル社会において、時間を有効に使える可能性が増えたのは言うまでもありません。
しかし運動の実施頻度が減ったあるいは増やせない理由として家事や仕事が忙しいと回答する人が41.0%と一番多いです。
矛盾しているようですが様々な理由を考察しました。
まだ未来社会に向けての進行途中のため、仕事や生活において、デジタル文化が浸透している人、していない人、したくない人など色々と社会と意思において分断が起きているのかなと思います。
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デジタル社会に溺れている⁉

世界や国内を飛び回るビジネスマン、テレビ等で引っ張りだこの人気者らは別として、大部分の人々の毎日の生活は習慣化され無意識に繰り返されます。
極論かもしれないが、SF映画やアニメのように人間が家から一歩も出ずに生活が完成してしまう社会は、先かもしれませんが似たような環境は出来つつあると感じます。

例えば、下記が想起されます。
現実においてこのような生活を継続すれば人間の体力は減少する一方で健康にも影響するでしょう(介護等は別である)。
まさしく【デジタル社会に溺れている状態】ではないでしょうか。
゛動かない=疲れない゛と考える人もいますが、必ずしもそうではありません。
デジタル社会が悪いわけでもありません、
様々な人間の行動が IOT により効率化され手間が省けることはとても良いことだと思います。
しかしそれらを選択・実行するのは個人です。
発展途上の社会環境の中で、器用に使いこなす人は多くはいないでしょう。
特に運動などの身体活動に関しては、怠惰になる人が多いです。
特に Homebody の方は身体活動の低下に注意が必要です。
お掃除ロボットが活動以外の時間を定位置で充電するように、ルーティン化された部屋の定位置での生活も、安心できる「充電スポット」になっているのかもしれません。
しかし過充電は身体に支障を来します。


もしかしたら生活活動が低いかも⁉
もちろん平日には学業・仕事をしている人が多いので、一日中家で過ごす人は未だ少ないかもしれません。
しかし学業・仕事においても個別に見ていけば、生活活動が低い可能性もあります。
必ずしも゛外出している=生活活動が適度又は高い゛わけではありません。
以下に例を挙げてみます。
学業
- 学校が家から近い
- 自動車による送迎
- 移動教室がない
- クラスが校舎の一階
- 休み時間もクラスから出ない
- 運動部活動に入部していない
仕事
- リモートワーク
- デスクワーク
- 職場が家から近い
- 自動車・タクシー通勤
- トイレや食事以外移動しない
- エレベーター・エスカレーターを利用する
ざっくりですが、皆さんは当てはまるものはいくつありますか?
ここで勘違いしてはいけないのが、゛上記が当てはまる=生活活動が低い゛ではありません。
学業では、毎日授業カリキュラムは異なる為、移動教室での徒歩移動や階段の昇降、掃除、体育(必須科目)などの身体を動かす時間もあるかもしれません。
程度問題もあります。
健康目的に片道30分かかるコンビニと家を徒歩で往復した人が2人います。
平地を歩いた人と勾配のある道を歩いた人では身体活動の強度に違いがあります。


そして健康は、 一朝一夕 で得られるものではなく長期的なものです。
また学業、仕事以外でウォーキングやランニング、スポーツジムでのトレーニング、稽古やスポーツなど運動する時間を設けている人もいるかもしれません。
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最後に
結局は個人が運動の意義を得て、生活の中で運動を選択、カスタマイズし、実行することが大事です。

運動の定義に関しては以下の記事を参照して下さい。
便利な社会の中では、<自立して考えること>や、できるだけ「おんぶにだっこ」にならない姿勢も大切です。
そのためにも、日常のルーティンの中に運動を取り入れることが必要だと考えます。
決して「デジタルから離れろ」ということではなく、デジタルを活用して運動するというのも、現代に合った有効な選択肢のひとつです。
また、健康を維持するためには、運動だけでなく「食生活」や「休息」も欠かせません。
どれが欠けても、真の健康は成り立たないのです。
この機会にぜひ、ご自身のライフスタイルを見直してみてはいかがでしょうか。
当ホームページで紹介している「運動遊び」も、選択肢の一つとして参考にしていただければ幸いです。
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